AIは人工知能。だからアンケートとは全く違う。
そうお考えの方も多いのではないですか。
実は、AIとアンケートの原理は同じなのです。
●AIの原理
Googleは2012年に「Googleの猫」と呼ばれる研究成果を発表しました。
これは、猫の写真画像数十万枚をAIコンピュータに読み込ませて、コンピュータに猫かどうかを答えさせます。そしてそれが正解かどうかをコンピュータに教えると、コンピュータは各画像を比較して、その差異を認識するようになります。この一連の作業を何百万回も繰り返すと、特徴の差異を徐々により正確に区別できるようになり、遂には猫と正しく認識するようになったというものです。
人間が猫の特徴を細かくコンピュータに教え込んだ訳ではありません。コンピュータが自動的に猫の特徴を認識できるようになったという訳です。「猫」と「トラ、馬、シマウマ」の違いを、たくさんの画像を読み込み、その差異を調べて重ね合わせていくと、特徴らしくなり「いつのまにか」自動的に認識できるようになったのです。
現在の画像認識技術はすべてこの猫の画像認識をベースにした統計的「学習」技術の進歩によるもので、専門的には「深層学習」(ディープラーニング)と呼んでいます。
●AIとアンケート
このAI画像認識の技術は現在驚異的な発展をしていて、単に顔認識や指紋認証などの画像だけに留まらず、入力情報の種別を変えることで、音声認識やテキスト翻訳、EV自動運転、株価予想など私たちの生活のあらゆる分野に適用拡大されようとしています。
例えば画像認識ではモザイク画のような小さな石片の集まりを全体として見るように、AI囲碁なら一手一手の石を置いた時の碁盤全体の石のパターンを見て有利不利を判断します。音声認識なら音の周波数毎の感度と広がりを見て判断するといった具合です。
このように入力情報の種類を変えることによって、AIはどこにでも適用できる汎用的な技術なのです。
●アンケートという経験智の学習
ということで、AIというのは、「たくさんの類似データを読み込んでその特徴=分布状況を解析する技術」だということが分かります。すなわちアンケート調査を何回も繰り返して、その分布状況から知識=「経験智」の精度を向上していくことだと言えます。
世論調査で、「岸田さんは反安倍と思っていたのに安倍派そっくりだ」とか、「以前は安倍踏襲だったが最近少し本音を出しだしたか」とかの反応が出てくるのも、AIとアンケートの学習が全く同じであることを示しています。要は繰り返しが必要だということです。
自治会でも、去年は5回のアンケートを行ったが、こういうアンケートを繰り返し、その結果を分析することにより「経験智」が蓄積されていくことになります。今後ともにアンケートの積み重ねにご協力をお願いします。